まだ布団を捨てている

断捨離

少し休んでいた家の片付けをまた少しずつ始めている。

しかし、家族の合意を得ることはやはり難しい。

父は、そもそも処分する必要がないと思っているので話にならない。
自分がいつかは死ぬことも、子どもである私が歳をとっていくことも、気がついていないようだ。
ゴミをまとめているとその中から父が引っ張り出して戻すので、父が出かけていて留守の間に片付けている。

後継ぎがいないこの家の行方を不安がっている母は、せめて自分が少しでも動けるうちに片付けておきたい、と断捨離にはおおむね賛成してくれている。協力もしてくれる。

でも、時々思い出したように、

「ああ、もったいない」「これも全部お金なのに」「お金を捨ててるようなもの」

と言い出す。

そんなことはわかっているし、わかったうえで処分しようとしているんだから。
じゃあ、こんなに使わないものをずっと持っておくの?私が死んだらどうするの?
誰が片付けるの?と、以前はそのたびに喧嘩になっていたが、それにも疲れてきた。

職場のコミュニケーションスキル研修で学んだ
・相手の言うことを頭ごなしに否定しない
・まずは受け止めて理解していることを伝える

を実践し、ビジネスライクに、

「そうだね。これも全部買ったものだものね。もったいないよね。
 捨てるのが嫌ならお母さんが使えばいいよ。置いておくから使ってよ。」

と言うことにした。

すると、「いらない。捨ててよ」と言う。

どっちやねん。

ていうか、めんどくさい。

職場も家族も同じなんだな。
職場の人間関係は仕事と割り切れるのだが、家族という甘えが邪魔をする。でも、人とのコミュニケーションってこういうことなんだろうな。

今週は、再び布団を捨てにクリーンセンターを2往復した。
処分するカビだらけの布団を車に積み込むのを手伝いながら、また母がまた言った。

「何もかも捨ててしまって、これで災害でもあったら…うちは布団もなくなってどうしたらいいの」

出た!またか。(まだまだ布団はあるんだよッ)

「そうだね。じゃあ災害用に置いておく?
 何十年も使ってなくてカビだらけだしダニとかすごそうだど、災害時に使えなくはないよね。
 お母さんが使うなら置いておくよ。」

母「・・・いらない。捨てて」

はい、捨てます。(超めんどくさい)